天皇

多少でもニュースを読んでる人は、今天皇家制が危機に瀕していることを知ってると思う。 その辺について思うことをつらつらと。


なんで天皇制が危機に瀕しているかというと、天皇は男子直系のみがなれると皇室典範にあるんだけど、いまの皇室には次代を担う直系男子がまったくいない。
皇室の構成図は http://www.kunaicho.go.jp/01/d01-01gr-01.html ここを見ると解りやすいけど、一番下のところをみるとすべて女性になっている。 お写真がでてないのは未成年ということの様子。 で、その上の皇族方はいずれもそれなりにご高齢で、一番若い方の秋篠宮ご夫妻にしても 40歳と39歳、皇太子ご夫妻なら45歳と42歳かな? いずれも新たに子供が埋めるような年齢ではない。 ということで、直系男子がいなくなってしまいました。

余談だけど、皇太子妃殿下が愛子さまを産んだあと、なんだかんだで引き籠もって皇太子殿下が異例の宮内庁に対する苦言を挺したというのがあったけど、宮内庁そうとう必死だったんだろうなというのは想像にかたくない。 まぁそのお影でじゃあどうするかという議論が進み出したというのはあるけど、そうでもしない限り議論をすすめにくかったというのもあるんだろうな。


ということで皇室典範にある男子直系にこだわると、次々々世代の天皇がいなくなるという自体になってしまった。 じゃあどうするかって事で、女性天皇を認めようという話がある。 女性天皇を認めればとりあえず次々々世代の天皇に関しては問題なくなるけど、じゃあその次は?という問題がある。

そんなわけで、いま皇室典範に関する有識者会議ってところでどうしたらいいのか検討してるんだけど、その方向は2つあって、女性に宮家創設を認めるというのと、戦後の1947年に皇室から外れた旧皇族を復帰するという2つの方法が検討されている。

今の皇室典範では女性は皇族以外と結婚したら皇族を離れなければならない。 これを女性が結婚しても皇族として残り、その子供にも皇位継承権をあたえるというかたちにしようというのが女性の宮家創設という方向。

今のところ女性による宮家創設というのが有力な方向になっている様子。

皇室典範会議ではまったく議論されていないけど、いっそ皇室なんてつぶしてしまえという意見もやっぱりあったりはする。 でもそういう事を言う人たちは皇室が歴史的に認められているだけでも5世紀の継体天皇から1500年続く、世界最古の王室であるということが解ってるのだろうかと思う。 その次は英国王室が約1000年らしい。 多くの先人が文字通り命を掛けて様々なものと闘って、苦労して保ってきた天皇を時代にあわないだとか今時でないというような理由でつぶしていいとは自分は思えない。 日本の祖先に顔向けできない。


天皇は日本の歴史において、良い悪いを超越して一本の柱となり、日本の根幹をなすものと直結している。 天皇天皇になることにより、その日本の根幹と直結した柱の一部となり、日本を体現するものとなる。 故にそれは日本というものに対するイケニエであり、彼は人ではなく、日本の神になるわけだ。

つらつらと色々考えながら書いてきて、天皇が神と言われたわけがはじめて自分で納得できたわ。

生け贄とか神に関してとか、やっぱりこの辺はフレイザーの金枝編もういっぺん読み直すべきだな。


話戻して、天皇制というのは根本的な部分では日本の宗教だし、そこに時代の流れや今風というものを持ち込むべきではなく、大本で決められたことは厳守するべき性質のものだと思う. 自分はそう考えるので、女性による宮家創設ではなく、多少強引な方法を使ってでも男子直系を保つことが重要だと考える。

ちなみにいままでにも女性天皇が8人10代おられたけど、いずれも中継ぎ的な役割で、そのあとには必ず直系男子の天皇が即位してる。


8月くらいからそこらへんの議論が本格的になるみたいだし、どうなるかは注目していきたいと思う。