ケータイ小説大賞

日本ケータイ小説大賞で「あたし彼女」というケータイ小説が大賞を取った。

http://mainichi.jp/enta/art/news/20080925ddm041040125000c.html


この「わたし彼女」はネットで読める*1ので思いっきりざっくり読んでみたんだけど、最初は小説ではなく散文詩の一形態ではないかと思ったくらいに、文の使い方が独特。


おなじケータイ小説の「恋空」*2なんかは、これも独特の文体とは言えまだ一般的な小説の形態を残していると思う。

でも「わたし彼女」になるともう文じゃなくて単語の羅列に近く、これを文章と読んでいいのかどうかはかなり微妙な気がする。

このぶつ切りの単語で作られた小説は文字が打ちにくく画面の狭い携帯という道具があってこそ生まれたものだろうし、道具の制約から生まれた創作形態の一つとして興味深いものではある。


源氏物語が世界最古の小説らしいが、そういった古典小説から、江戸時代に多く書かれた娯楽小説、明治大正昭和初期の私小説、そして戦後のSF、90年代以降のラノベ、そしてケータイ小説

おそらくこの辺はほぼ同じミームに属してるんではないかなと思うんだけど、ケータイ小説がこの流れの上にあるというのなら、さらに先鋭化したこの先はどのような小説が生まれてくることになるのか、それはそれで興味深いものがある。